こんにちは、オイケです。
以前、下の記事で、無料でpdfを編集する手順を紹介しました。
【関連記事】フリーソフトInkscapeで無料でpdfを編集する手順
しかし、Inkscapeはドロー系の画像編集ソフトであるため、例えば、pdfに文字を追加する場合は、文字を追加する度に、テキストボックスで文字を追加し、上下左右の位置合わせが必要で、非常に面倒です。
この記事では、株式会社ワンダーシェアーソフトウェアのpdf編集に特化したPDFelement Pro(PDFelement プロ版)という安価で高機能のpdf編集ソフトの使い方を紹介します。
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Acrobat Pro DCとPDFelement Proの違い
Acrobat Pro DCとPDFelement Proの違いについて、価格面と機能面について説明します。
PDFelement Proが断然安い
以下のとおり、PDFelement Proの方が断然安いです。
- Acrobat Pro DC 23,760円(税込)年間プラン、一括払い
- PDFelement Pro (Ver.9)
14,880円→9,980円(税込)永久ライセンス、一括払い
PDFelement Proは通常14,880円ですが、2023年1月27日時点では4,900円の割引期間中のため、9,980円で購入できます。
PDFelement Proにも年間プランはありますが、11,480円→7,280円(税込)なので、プラス2,700円で永久ライセンスの購入おすすめします。
機能面で問題無ければ、PDFelement Proを買った方が絶対お得ですね。
公式サイトの一番上のメニューから「PDF編集ソフト」→「PDFelement」を選択することでPDFelementのページが表示されます。
Acrobat Pro DCとほぼ同等以上のことができる
PDFelement Proを開発しているwondershareの公式サイトによると、Acrobat Pro DCがバージョンアップした後、PDFelement ProもAcrobat Pro DCのバージョンアップ内容を網羅してバージョンアップしているので、基本的にAcrobat Pro DCと同等の機能を備えています。
更に、PDFelement Proには、Acrobat Pro DCに無い、以下の+αの機能を備えています。
- 文字に取り消し線や破線を付ける
- テキストを行単位や段落単位で編集できる
- 注釈の表示、一括非表示
- ファイルそれぞれを単一のExcelワークシートとして保存
- pdfから画像を抽出して保存
PDFelement(標準版)とPDFelement Pro(プロ版)の違い
PDFelement(標準版)とPDFelement Pro(プロ版)の代表的な違いとして、下記2つの機能がPDFelementに無く、PDFelement Proにあります。
①OCR光学文字認識
スキャンされたpdfの場合、文字は文字情報を持っておらず、画像になっているため、そのままでは文字を編集することができません。
OCR光学文字認識処理をすることで、画像から文字認識し、文字情報に復元することができます。
これにより、復元した文字情報を編集することが可能になります。
Word、Excel、PowerPointなどから直接作成したpdfが存在せず、スキャンされたpdfを編集したい場合は、PDFelementの標準版では無く、PDFelement Pro(プロ版)を購入する必要があります。
②フォームのフィールド認識
PDFelementの標準版でもフォームを手作業で作ることはできますが、フォームの数が多くなると、フォーム作成に時間と手間がかかります。
PDFelement Proには、フィールドを自動で認識してフォームを作成する機能があります。
アンケート用紙、申込書、申請書などのpdfを作成する人にとっては、フォームのフィールド認識機能は便利で生産性が高まりますね。
PDFelement Proのインストール手順
PDFelement Proの無料体験版のインストール手順を説明します。
wondershareの公式サイトを開き、一番上のメニューから「PDF編集ソフト」→「PDFelement」を選択することでPDFelementのページが表示されます。
上図は古い画面ですが、画面右上や画面中央左側に「無料ダウンロード」のボタンが表示されるので、クリックすると無料体験版をダウンロードできます。
上図のインストールファイルをダブルクリックします。
インストールをクリック
インストール中は、上図の画面が表示されます。
PDFelement Proのインストールが完了しました。
そのまま、PDFelementを起動する場合は、今すぐ開始をクリックします。
PDFelement Proの使い方
私がpdfを編集する場面を例に、PDFelement Proの使い方を説明します。
私がPDFelement Proの購入判断する際の評価ポイントでもあります。
Wordで作成したpdfの編集方法
Microsoft Wordで作成したと思われる、千葉県の個人事業主の開業届のpdfに必要事項を記入する場合のPDFelement Proの使い方を説明します。
結論を先に言いますと、Wordで作成した帳票のpdfにPDFelement Proで文字入力する機能は完璧です。
では、具体的に説明します。
上図は、PDFelement Proの起動直後の画面です。
余談ですが、体験版と購入版は同じプログラムのようです。
今回は、体験版なのでこのまま操作を進めますが、購入版の場合は画面右上のログインをクリックして、ログインすることで体験版の機能制限が解除されます。
では、引き続き、体験版のままで画面内のPDF編集をクリックします。
pdfファイルを選択して、開くをクリックします。
上図の、
- 日付
- 郵便番号
- 電話番号
の入力欄には、テキストボックスがあるので、①オブジェクトを編集をクリックして、該当テキストボックスを選択することで、日付、郵便番号、電話番号を入力することができます。
他の文字入力欄でテキストボックスが無い箇所、例えば、
- 住所
- 氏名
- 事業の種類
- 屋号等
- 名称
- 所在地
の場合、テキスト追加をクリックして、自分でテキストボックスを配置して文字入力することができます。
報告区分の「1 事業の開始」の「1」を○で囲む場合は、注釈→○の順でクリックして、○を描くことができます。
Microsoft Power Pointを使ったことがあるかたは、マニュアルを見なくても直感で操作できます。
罫線の枠内にテキストを入力する場合は、PDFelement Proのみで使えるフィールドを認識して自動的にフォームを作る機能を使うと一瞬でテキスト入力できるようになります。
テキスト入力後、ファイル→名前を付けて保存の順でクリックして、別のファイル名で保存します。
今回は、体験版なので上図のとおり、透かしがついて保存をクリックします。
上図はPDFelement Proで編集したpdfを、他社のpdfビューアで表示した画面です。
体験版なので、透かしと右上にオレンジで「今すぐ透かしを削除する」が表示されていますが、その他、テキストのフォントタイプやフォントサイズが変わることなく、また、○で囲んだ箇所も正しい位置に残っていて期待どおりです。
文句なしの大満足です。
使ってみた感想としては、Microsoft Wordよりは、Microsoft Power Pointの操作感覚に近いと感じました。
Excelで作成したpdfをExcelに変換する方法
実務的には、このような機会はほとんどないかと思いますが、Excelで作成したpdfをPDFelement Proに読み込んで、Excelファイルに変換してみます。
Excelで作成したpdfを読み込んだ後、変換→Excelに変換の順にクリックします。
出力するExcelファイル名を確認して、保存をクリックします。
体験版なので保存時の制限事項が表示されますが、続くをクリックすると、Excelファイルが保存されます。
上図は、保存されたExcelファイルをExcelで読み込んだ画面です。
ピンクで囲んだ箇所はセルの背景が塗りつぶされています。また、緑で囲んだ箇所を始め、¥記号が$記号に誤変換されています。
上図の①~⑥の手順で、簡単に$記号を¥記号に変更できます。
また、セルの背景の塗りつぶしも、セルを選択してセルの書式設定で塗りつぶしを無しにすることで、塗りつぶしを消すことができます。
若干手作業が必要でしたが、PDFelement Proを使って、pdfからExcelファイルを作ることができました。
pdfに記載されている数値データをExcelに移動させて、Excelで演算させたい場合には非常に役立つと思います。
PowerPointで作成したpdfをPowerPointに変換する方法
こちらも、実務的には、このような機会はほとんどないかと思いますが、PowerPointで作成した(と思われる)pdfをPDFelement Proに読み込んで、PowerPointファイルに変換してみます。
上図は、PowerPointで作成したと思われるpdfを、他社のpdfビューアで表示した画面です。
画面左側の図形内のテキストは図形内に収まっています。
また、画面右側のテキストの下線はテキストに対しバランスのとれた配置位置になっています。
上図は、PowerPointで作成したと思われるpdfを、PDFelement Proに読み込んだ画面です。
画面左側の図形内のテキストは図形内に収まっており、個々のテキストボックスの形状も理想的だと感じます。
また、画面右側のテキストの下線は、テキストの属性として付加されているので、当然、テキストに対しバランスのとれた配置位置になっています。
次に、PDFelement ProでPowerPointファイルに変換して、PowerPointに読み込んでみます。
PDFelement ProでPowerPointファイルに変換して、PowerPointに読み込んだ画面です。
画面左側の図形内のテキストは図形からはみ出しています。
また、複数のテキストボックス(正確には、「テキストボックス」ではなく「図形」)同士が結合されてしまい、その結果、「端末導入費」の「端」が移動しています。
画面右側のテキストの下線は、テキストの属性ではなく、図形線になってしまい、若干上に移動してテキストに重なっています。
これを、PowerPointで修復するのは大変です。
PowerPointに変換して編集するよりは、PDFelement Proで編集する方が効率がいいですね。
スキャナーで作成したpdfのOCR処理方法
スキャナーで作成したpdfをPDFelement Proに読み込んだだけでは、文字は文字として認識されておらず画像のままなので、文字を編集することができません。
しかし、Pro版のみの機能であるOCR処理を行うことで、画像から文字を認識して、文字に変換することでできるのでそのやり方を説明します。
上図は、Microsoft WordのFAXテンプレートを使って作成した「FAX送信のご案内」を印刷して、スキャナーでpdfに変換して、PDFelement Proに読み込んだ画面です。
スキャンしたpdfをPDFelement Proに読み込むと、OCR処理を行うかを聞いてくるので、OCRを実行しますをクリックします。
OCR処理を実行するためには、OCRプラグインをダウンロードする必要があるため、ダウンロードをクリックします。
OCRプラグインのダウンロードは、初回のみの一回限りで済みます。
OCRプラグインのダウンロード完了後、上図の画面が表示されるので、次へをクリックします。
上図が、OCR処理後の画面です。
これで、テキストボックスの枠内の文字を編集できるようになりました。
しかし、PDFelement ProでのOCR処理結果をよく見ると、OCR処理前と比べて、
- フォントタイプがゴシックから明朝に変わっている
- 文字間隔が詰まっている
という違いがあり、これを手作業で直すのは非常に手間がかかりそうです。
テキストエディタで印刷したテキストのみの印刷物をスキャンしたpdfを、PDfelement ProでOCR処理したら、完璧なテキスト情報を抽出できると思います。
例えば、小説や新聞記事などのOCR処理は完成度が高いでしょう。
ただし、縦書き印刷物のOCR処理に対応しているかは確認未了ですが。。。