この記事では、元号の歴史や改元について紹介します。
海外では西暦を使っていて、日本では西暦と元号を併用しています。
特に、誕生日や学校の入学年や卒業年については、西暦で会話するよりも元号で会話した方が伝わりやすいですよね。
よって、会員申し込み用紙などの誕生日の記入欄が西暦になっていると、一瞬固まってしまうことがあるのではないでしょうか。
このように、西暦と元号の併用は紛らわしい場合もありますが、日本では馴染み深いものでもあります。
元号が日常生活に溶け込んでいるがゆえ、元号について気にしていませんでしたが、平成から新元号への改元をきっかけに、元号の歴史や改元について調べてみましたので解説しますね。
元号の歴史
中国で紀元前2世紀に定められた建元が世界初の元号と言われています。
日本では、西暦645年の大化が最初の年号であり、平成は247番目の元号です。
中国で始まったと言われる元号は、日本以外に朝鮮半島やベトナムにも広がりました。
しかし、中国では1911年に元号が廃止、朝鮮半島やベトナムでも1945年に元号が廃止され、現在、元号を使用している国は日本だけとなっています。
元号は二文字に決まっている?
これまでの247元号の中で、二文字元号が242元号で約98%を占め、残り5元号は四文字です。
1. 天平感宝(749年4月~同年7月)
2. 天平勝宝(749年7月~757年)
3. 天平宝字(757年~765年)
4. 天平神護(765年~767年)
5. 神護景雲(767年~770年)
電子政府の総合窓口e-Govに掲載されている元号法には以下の定めがあり、二文字に限定されていません。
昭和五十四年法律第四十三号
元号法
1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。
しかし、首相官邸公式ホームページに掲載されている元号選定手続検討会議(第1回)議事次第の参考資料2に「漢字2字であること」と記載されているので、新元号でも漢字2字になります。
元号によく使われた漢字は?
247元号で使われた漢字は、延べ504字です。つまり、複数回使われている漢字を含めて504字です。
では、何種類の漢字が使われたかと言うと、わずか72種類です。
わずか72種類の漢字の組み合わせで、1400年近くもの間247元号を使ってきたことになります。
この72種類の漢字の中で、よく使われた漢字の上位4字は以下のとおりです。
- 永 29回
- 元と天 27回
- 治 21回
平成の次の元号もこの72種類の漢字の中から決められると思いますか?
それとも、現代の日本文化を意識した別の漢字が使われると思いますか?
新元号発表までの流れ
平成31年3月31日まで
- 専門家数人が2~5の元号案を政府に提出
- 内閣法制局長官の意見を基に、菅官房長官が数案に絞り込み
政府は、専門家として、国文学、漢文学、日本史学、東洋史学の4分野の中から数人に依頼しています。
また、政府は、元号発表後も、専門家の氏名を公表しない方針です。
平成31年4月1日当日
- 有識者による「元号に関する懇談会」に意見を求める
- 衆参正副議長の意見聴取
- 全閣僚会議で協議し、新元号案を固める
- 閣議で新元号を記した改元政令を決定
- 菅官房長官が記者会見で新元号を発表
- 現天皇陛下の署名、押印を経て政令を即日公布
政府によると、現天皇陛下、現皇太子さまに事前報告する前に新元号の情報が漏れて報道されてしまった場合は、新元号を差し替えるとのことです。
改元はいつ?
改元、つまり、新元号が施行されるのは、2019年5月1日です。
平成31年は4月30日までで、翌日の5月1日は新元号の元年5月1日になります。
一世一元の制とは?
一世一元の制とは、天皇一代につき1つの元号を定めることです。
一世一元の制が始まったのは明治からで、明治から平成まで天皇一代につき1つの元号になっています。
では、明治以前はどうだったかと言いますと、最初の元号「大化」から江戸時代最後の「慶応」まで243の元号があり、その間の天皇は86代です。
この間は、天皇一代で平均2.8回改元しています。
期間が長い年号と短い年号
大化から平成までの247元号の中で最も期間が長かった元号は、昭和で62年と13日でした。
逆に最も短かった元号は、暦仁(りゃくにん)で2か月と14日でした。
元号一覧
大化から平成までの247元号は以下のとおです。
飛鳥時代の元号一覧
- 大化 たいか
- 白雉 はくち
- 朱鳥 しゅちょう
- 大宝 たいほう
- 慶雲 けいうん
- 和銅 わどう
奈良時代の元号一覧
- 霊亀 れいき
- 養老 ようろう
- 神亀 じんき
- 天平 てんぴょう
- 天平感宝 てんぴょうかんぽう
- 天平勝宝 てんぴょうしょうほう
- 天平宝字 てんぴょうほうじ
- 天平神護 てんぴょうしんご
- 神護景雲 しんごけいうん
- 宝亀 ほうき
- 天応 てんおう
- 延暦 えんりゃく
平安時代の元号一覧
- 大同 だいどう
- 弘仁 こうにん
- 天長 てんちょう
- 承和 じょうわ
- 嘉祥 かしょう
- 仁寿 にんじゅ
- 斎衡 さいこう
- 天安 てんあん
- 貞観 じょうがん
- 元慶 がんぎょう
- 仁和 にんな
- 寛平 かんぴょう
- 昌泰 しょうたい
- 延喜 えんぎ
- 延長 えんちょう
- 承平 じょうへい
- 天慶 てんぎょう
- 天暦 てんりゃく
- 天徳 てんとく
- 応和 おうわ
- 康保 こうほう
- 安和 あんな
- 天禄 てんろく
- 天延 てんえん
- 貞元 じょうげん
- 天元 てんげん
- 永観 えいかん
- 寛和 かんな
- 永延 えいえん
- 永祚 えいそ
- 正暦 しょうりゃく
- 長徳 ちょうとく
- 長保 ちょうほう
- 寛弘 かんこう
- 長和 ちょうわ
- 寛仁 かんにん
- 治安 じあん
- 万寿 まんじゅ
- 長元 ちょうげん
- 長暦 ちょうりゃく
- 長久 ちょうきゅう
- 寛徳 かんとく
- 永承 えいしょう
- 天喜 てんぎ
- 康平 こうへい
- 治暦 じりゃく
- 延久 えんきゅう
- 承保 じょうほう
- 承暦 じょうりゃく
- 永保 えいほう
- 応徳 おうとく
- 寛治 かんじ
- 嘉保 かほう
- 永長 えいちょう
- 承徳 じょうとく
- 康和 こうわ
- 長治 ちょうじ
- 嘉承 かじょう
- 天仁 てんにん
- 天永 てんえい
- 永久 えいきゅう
- 元永 げんえい
- 保安 ほうあん
- 天治 てんじ
- 天承 てんしょう
- 長承 ちょうしょう
- 保延 ほうえん
- 永治 えいじ
- 康治 こうじ
- 天養 てんよう
- 久安 きゅうあん
- 仁平 にんぺい
- 久寿 きゅうじゅ
- 保元 ほうげん
- 平治 へいじ
- 永暦 えいりゃく
- 応保 おうほう
- 長寛 ちょうかん
- 永万 えいまん
- 仁安 にんあん
- 嘉応 かおう
- 承安 じょうあん
- 安元 あんげん
- 治承 じしょう
- 養和 ようわ
- 寿永 じゅえい
- 元暦 げんりゃく
- 文治 ぶんじ
- 建久 けんきゅう
- 正治 しょうじ
- 建仁 けんにん
- 元久 げんきゅう
- 建永 けんえい
- 承元 じょうげん
- 建暦 けんりゃく
- 建保 けんぽう
- 承久 じょうきゅう
- 貞応 じょうおう
- 元仁 げんにん
- 嘉禄 かろく
- 安貞 あんてい
- 寛喜 かんき
- 貞永 じょうえい
- 天福 てんぷく
- 文暦 ぶんりゃく
- 嘉禎 かてい
- 暦仁 りゃくにん
- 延応 えんおう
- 仁治 にんじ
- 寛元 かんげん
- 宝治 ほうじ
- 建長 けんちょう
- 康元 こうげん
- 正嘉 しょうか
- 正元 しょうげん
- 文応 ぶんおう
- 弘長 こうちょう
- 文永 ぶんえい
- 建治 けんじ
- 弘安 こうあん
- 正応 しょうおう
- 永仁 えいにん
- 正安 しょうあん
- 乾元 けんげん
- 嘉元 かげん
- 徳治 とくじ
- 延慶 えんきょう
- 応長 おうちょう
- 正和 しょうわ
- 文保 ぶんぽう
- 元応 げんおう
- 元亨 げんこう
- 正中 しょうちゅう
- 嘉暦 かりゃく
南朝時代の元号一覧
- 建武 けんむ
- 延元 えんげん
- 興国 こうこく
- 正平 しょうへい
- 建徳 けんとく
- 文中 ぶんちゅう
- 天授 てんじゅ
- 弘和 こうわ
- 元中 げんちゅう
北朝時代の元号一覧
- 元徳 げんとく
- 正慶 しょうきょう
- 建武 けんむ
- 暦応 りゃくおう
- 康永 こうえい
- 貞和 じょうわ
- 観応 かんおう
- 文和 ぶんわ
- 延文 えんぶん
- 康安 こうあん
- 貞治 じょうじ
- 応安 おうあん
- 永和 えいわ
- 康暦 こうりゃく
- 永徳 えいとく
- 至徳 しとく
- 嘉慶 かきょう
- 康応 こうおう
- 明徳 めいとく
室町時代の元号一覧
- 明徳 めいとく
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- 正長 しょうちょう
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- 嘉吉 かきつ
- 文安 ぶんあん
- 宝徳 ほうとく
- 享徳 きょうとく
- 康正 こうしょう
- 長禄 ちょうろく
- 寛正 かんしょう
- 文正 ぶんしょう
- 応仁 おうにん
- 文明 ぶんめい
- 長享 ちょうきょう
- 延徳 えんとく
- 明応 めいおう
- 文亀 ぶんき
- 永正 えいしょう
- 大永 だいえい
- 享禄 きょうろく
- 天文 てんぶん
- 弘治 こうじ
- 永禄 えいろく
- 元亀 げんき
安土桃山時代の元号一覧
- 天正 てんしょう
- 文禄 ぶんろく
江戸時代の元号一覧
- 慶長 けいちょう
- 元和 げんな
- 寛永 かんえい
- 正保 しょうほう
- 慶安 けいあん
- 承応 じょうおう
- 明暦 めいれき
- 万治 まんじ
- 寛文 かんぶん
- 延宝 えんぽう
- 天和 てんな
- 貞享 じょうきょう
- 元禄 げんろく
- 宝永 ほうえい
- 正徳 しょうとく
- 享保 きょうほう
- 元文 げんぶん
- 寛保 かんぽう
- 延享 えんきょう
- 寛延 かんえん
- 宝暦 ほうれき
- 明和 めいわ
- 安永 あんえい
- 天明 てんめい
- 寛政 かんせい
- 享和 きょうわ
- 文化 ぶんか
- 文政 ぶんせい
- 天保 てんぽう
- 弘化 こうか
- 嘉永 かえい
- 安政 あんせい
- 万延 まんえん
- 文久 ぶんきゅう
- 元治 げんじ
- 慶応 けいおう
明治から平成の元号一覧
- 明治 めいじ
- 大正 たいしょう
- 昭和 しょうわ
- 平成 へいせい
新元号は令和に決定
平成31年4月1日に5月1日からの新元号は令和と発表されましたね。
令和の引用元は国書である万葉集とのことです。
では、令和以外にどのような元号案があったのでしょうか?
令和以外の元号案
政府発表によると、4月1日に政府が、
- 元号に関する懇談会
- 全閣僚会議
で示した元号案は令和以外に以下の5つがありました。
- 英弘(えいこう)出典元は国書(古事記)
- 広至(こうし)出典元は国書
- 久化(きゅうか)出典元は漢書(易経(えききょう))
- 万和(ばんな)出典元は漢書(史書・史記の一部の五帝本紀)
- 万保(ばんぽう)出典元は漢書(詩経)
・日本書紀
・平安時代作成の史書・続日本紀(しょくにほんぎ)
の2つであることを政府関係者が明らかにしています。
令和の考案者は?
政府が元号案の考案を依頼した専門家を公表していませんが、4月3日の新聞記事によると、
- 中西進・国際日本文化研究センター名誉教授
の可能性が高いようです。
中西氏は万葉集研究の第一人者で2013年に文化勲章を受賞されています。
まとめ
今回、元号について調べてみて以下のことを知りました。
- 元号は中国から渡ってきた
- 平成は247番目の元号
- 元号で使われた漢字はわずか72種類
- 元号の約98%は二文字
- 新元号の情報流出防止が大変そう
- 昭和が期間最長
ちょっとだけ役に立ちましたら幸いです。
では、また。
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