この記事では、新元号「令和」の考案者だと言われている、万葉研究の第一人者で国文学者の中西進氏が、令和や元号そのものについてメディアからのインタビューに答えられましたのでその内容を私なりの解釈で解説します。
令和の意味や出典元については、政府から発表されましたが、考案者がどのような思いで令和を提案したのかをご存じですか?
考案者は6年以上前に政府から新元号の考案を依頼され、それ以来ずっと、万葉集以外の書物も参考にして熟考してこられたようです。
では、中西進氏の
- 新元号「和令」に対する思い
- 元号そのものに対する思い
を解説しますね。
令和に対する中西進氏の思い
令和の出典が、大伴旅人が730年に開いた宴での「梅花の歌三十二首」の序文であることについては、中西さんも認めています。
しかし、私は令和の真の意味と一番近い出典としては、聖徳太子が作った十七条の憲法の第一条「和を以て貴しとなす」ではないかと思います。
ところが、中西さんは「十七条の憲法を記した日本書記は漢文で書かれているので国書と言うのに抵抗がある」とおっしゃっています。
これまでの元号の出典が漢書であり、新元号については出典を国書にしたいという、誰かの要望があり、出典を万葉集にすることにしたのだと、私は思います。
令和の「令」の意味
中西さんは、「令」の意味は「善い」とおっしゃっています。
また、中西さんは、「レイ」という読みの音の響きを気に入っていて、同じ読みの漢字で、
- 「麗」は麗しい
- 「玲」は玉のような美しさ
- 「怜」は心の美しさ
があり、それぞれの意味がいいともおっしゃっています。
私は、「令」というと、
- 命令の「令」
- 冷凍の「冷」
などを思い浮かべ、感情的にも体感的にも冷ややかな印象を受けました。
また、中西さんは、「麗」の字を気に入っておられるようなので、
- 出典を国書にこだわる必要無し
- 書きにくい漢字でも構わない
という条件であれば、「麗和」を提案したかったのではないかなとも思いました。
私も「麗」の字は美しい文字だと思いますが、難し過ぎて書けないので簡単な「令和」で良かったです。
令和の「和」の意味
出典の万葉集では、「初春の令月にして、気淑(きよ)く風和(かぜやわら)ぎ」と表記され、「和」は風のやわらかさを意味します。
中西さんは、「和」について、「聖徳太子が作った十七条の憲法の第一条『和をもって貴しとせよ』を思い浮かべる」とおっしゃっているので、中西さんが考える令和の「和」の意味は、「お互いに相手を認め理解し合う」ということだと思います。
元号に対する中西進氏の思い
中西さんは、「元号とは、国家のビジョン。文化目標」とおっしゃっています。
これはどういう意味でしょう?
私は、4日間考えてみましたが、「これだ!」という結論が出ませんでした。
なんとなくとしては、「元号とは、日本という国家の理想を実現していくための活動目標」だということだと解釈しました。
よって、令和という時代では、平成よりも更に良い平和を築いていくために、お互いに相手を認め理解し合い、善い行いをしようという思いが込められているのだと思います。
まとめ
令和の「令」は、善いこと。
令和の「和」は、風の和らぎと言うよりは、人と人の関係の和らぎ、国と国の関係の和らぎのことだを私は解釈しました。
考案者の方々が6年以上も前から熟考された、二文字の真意を理解するのは難し過ぎて、どの程度理解できたのかはわかりませんが、考案者と言われている中西さんのインタビュー記事を読んだことで元号に対する思いは理解できたと思います。
では、また。
コメント